こんにちは。FP1級パパのニーサです。
年齢を重ねると、病気や入院への不安が大きくなるものです。
「今まで加入していた医療保険の保障が終わるので、新しく加入したい」
「持病があるため、一般的な医療保険には入りにくい」
「高齢になってからでも入れる医療保険はないだろうか」
そんなときに候補となるのが、緩和型医療保険です。
緩和型医療保険は、一般的な医療保険よりも告知項目が緩和されており、持病や過去の病歴がある方でも加入を検討しやすい商品です。
一方で、保険料が高めに設定されていたり、契約後の一定期間に給付金が削減されたりする場合があります。
では、高齢になってから緩和型医療保険に加入する必要はあるのでしょうか。
私は、十分な預貯金がある方であれば、緩和型医療保険に加入する前に、公的医療保険制度と貯蓄でどこまで備えられるかを考えることが大切だと考えています。
今回は、公的医療保険制度や高額療養費制度を踏まえながら、高齢期の緩和型医療保険について考えていきます。
そもそも緩和型医療保険とは?
緩和型医療保険は、一般的な医療保険と比べて、加入時の告知項目などが緩和されている医療保険です。「限定告知型医療保険」などと呼ばれることもあります。
持病がある方や、過去に病気や手術を経験した方でも、所定の条件を満たせば加入できる可能性があります。
ただし、持病があれば必ず加入できるわけではありません。告知内容や引受基準は保険商品によって異なります。
また、加入しやすい一方で、一般的な医療保険より保険料が高く設定されている商品もあります。
契約後の一定期間について、入院給付金などが削減される仕組みを設けている商品もあるため、加入前の確認が欠かせません。
大切なのは、「持病があるから緩和型医療保険に入らなければならない」と考えないことです。
まずは、現在の健康状態で一般的な医療保険に加入できるかを確認し、緩和型医療保険も含めて保障内容と保険料を比較しましょう。
高齢期の医療費を考えるうえで知っておきたい高額療養費制度
医療保険に加入していないと、入院や手術で多額の医療費がかかるのではないかと心配する方もいるでしょう。
そこで知っておきたいのが、高額療養費制度です。
高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払う保険診療の自己負担額が、一定の上限を超えた場合に、超過分の支給を受けられる制度です。
自己負担限度額は、年齢や所得などによって異なります。
そのため、「高齢者なら誰でも医療費は月5万円程度で済む」と考えるのは正確ではありません。
さらに、2026年8月からは高額療養費制度の見直しが実施され、年間上限が設けられるなど、制度が変更されています。外来特例の上限額についても見直しが行われているため、以前の金額をそのまま現在の制度に当てはめないよう注意が必要です。
実際に医療費がどの程度になるかは、年齢、所得区分、受ける治療などによって変わります。加入している健康保険の窓口や厚生労働省の最新資料で、自分に適用される上限額を確認しておきましょう。
また、高額療養費制度ですべての費用がカバーされるわけではありません。
例えば、差額ベッド代や入院中の食事代、保険適用外の費用などは、別途負担が生じることがあります。
医療保険が必要かどうかを考える際には、こうした費用も含めて備えを検討することが大切です。
先進医療が心配だから医療保険に入りたい場合は?
医療保険を検討する理由として、「先進医療を受けることになったら、費用が高額になるのではないか」という不安もあるでしょう。
先進医療に係る技術料は、原則として全額自己負担です。
一方、通常の診察・検査・投薬・入院料など、保険診療と共通する部分については、一般の保険診療と同様に扱われます。保険診療に該当する部分には、高額療養費制度も適用されます。
ここで注意したいのは、先進医療という名称だけで、必ずしも一般的な治療より優れていると判断できるわけではないことです。
先進医療は、将来的な保険導入に向けて安全性や有効性などを評価する制度です。治療を受ける場合は、医師から治療内容や費用、期待される効果などについて説明を受け、自分の病状に合った選択をすることが重要です。
先進医療への備えを目的に加入するのであれば、特約の対象範囲や給付限度額、保険料を確認したうえで判断しましょう。
私が高齢期の緩和型医療保険を慎重に考える理由
私が高齢期の緩和型医療保険への加入を慎重に考える理由は、公的医療保険制度が医療費の負担を軽減する仕組みを備えているからです。
もちろん、公的制度だけですべての費用をカバーできるわけではありません。
しかし、医療費の自己負担を一定の範囲に抑えられる場合があることを踏まえると、民間の医療保険に加入する前に、預貯金で対応できる範囲を確認することにも意味があります。
高齢期には、医療費以外にもさまざまな支出が考えられます。
介護費用、住宅の修繕費、日常生活費、住み替え費用など、将来必要になるお金は人それぞれです。
保険料を払い続けることによって、こうした支出に充てられる資金が少なくなる可能性もあります。
一方、預貯金で備えていれば、必要に応じて医療費にも介護費用にも使えます。
そのため、十分な預貯金がある方は、医療保険だけに頼らず、手元の資金で備える方法も検討してよいと考えます。
ただし、貯蓄が十分でない方や、急な入院費用を支払うことに不安がある方にとっては、医療保険が家計の安心につながる場合もあります。
緩和型医療保険を一律に不要と考えるのではなく、自分の資産状況や家計に合った選択をすることが大切です。
保険料を払うか、貯蓄に回すかを考えてみる
例えば、70歳で緩和型医療保険に加入し、毎月の保険料が7,000円だったと仮定します。
15年間支払い続けた場合、保険料の合計は次のようになります。
7,000円 × 12か月 × 15年 = 126万円
一方、毎月7,000円を貯蓄に回した場合も、利息などを考慮しなければ15年間で126万円になります。
ただし、これは単純な比較にすぎません。
医療保険に加入すれば、契約で定められた支払条件を満たした場合に給付金を受け取れます。貯蓄だけで備えた場合は、保険金や給付金を受け取ることはできません。
また、実際の保険料は年齢や性別、保障内容などによって異なり、商品によっては保険料が変わる場合もあります。
したがって、支払保険料の合計だけで、保険が得か損かを判断することはできません。
保険の役割は、発生した場合に家計への影響が大きいリスクに備えることです。
貯蓄が少なく、急な医療費の支払いが難しい方にとっては、保険で備える意味があります。一方、十分な金融資産があり、想定される自己負担を貯蓄から支払える方であれば、保険料を抑えて資金を手元に残す選択肢もあります。
自分にとってどちらが適切か、保障内容と家計の両面から検討しましょう。
まとめ:高齢期の医療保険は必要性を考えてから判断しよう
高齢になると、病気や入院への不安から、医療保険に加入したいと考えることもあるでしょう。
持病がある方にとって、緩和型医療保険は選択肢の一つです。ただし、加入しやすいという理由だけで契約するのではなく、保険料や保障内容、給付条件を確認する必要があります。
日本には公的医療保険制度があり、高額療養費制度によって医療費の負担が軽減される仕組みもあります。一方で、制度の対象外となる費用もあるため、一定の貯蓄を確保しておくことも大切です。
私自身は、十分な預貯金がある方であれば、高齢期の緩和型医療保険への加入は慎重に検討したいと考えています。
大切なのは、「持病があるから保険に入らなければならない」と決めつけないことです。
公的保障、預貯金、民間保険の3つを組み合わせ、自分に必要な保障を考えてみましょう。
保険に加入する場合も、加入しない場合も、家計や将来の生活に合った選択をすることが重要です。
※この記事は一般的な制度や保険の考え方を解説するものであり、個別の保険商品の加入を推奨・否定するものではありません。制度や保険商品の条件は変更される場合があるため、最新の公的資料や契約内容をご確認ください。
参考にした公的・公式情報
厚生労働省
政府広報オンライン
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